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美容室を開業したら忘れずに出す届出・申請の一覧 — 提出先と期限を整理

届出先は大きく4つ

美容室を開業するとき、届出や申請の提出先は保健所・税務署・消防署・労働基準監督署(+ハローワーク)の4か所です。「何を」「いつまでに」「どこへ」出すのかを開業前に整理しておくと、提出漏れによるトラブルを防げます。

まずは全体像を表で確認しておきましょう。

提出先届出・申請の名称提出期限の目安
保健所美容所開設届開業予定日の10〜14日前
税務署個人事業の開業届出書開業日から1ヶ月以内
税務署青色申告承認申請書開業日から2ヶ月以内
税務署給与支払事務所等の開設届出書スタッフを雇う日から1ヶ月以内
税務署源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書期限なし(早めが安心)
消防署防火対象物使用開始届出書使用開始の7日前まで
消防署防火対象物工事等計画届出書工事着工の7日前まで
労働基準監督署保険関係成立届雇用開始から10日以内
労働基準監督署概算保険料申告書保険関係成立から50日以内
ハローワーク雇用保険適用事業所設置届雇用開始から10日以内

ここから、提出先ごとに中身を見ていきます。

保健所 — 美容所開設届と立入検査

美容室を営業するには、保健所から「確認書」を受け取る必要があります。確認書がないとオープンできないため、保健所への届出はスケジュールの中でも優先度が高い手続きです。

流れはこうです。

  1. 内装工事に入る前に保健所へ事前相談(図面を持参する)
  2. 工事完了後、開業予定日の10〜14日前に「美容所開設届」を提出
  3. 保健所の職員による立入検査を受ける(届出後1週間程度)
  4. 検査に合格すると確認書が交付され、営業開始

開設届に添付する主な書類は以下のとおりです。

  • 施設の構造設備の概要(平面図・配置図)
  • 従業者名簿
  • 美容師免許証の原本(確認後に返却)
  • 医師の診断書(結核・皮膚疾患に関するもの、発行から6ヶ月以内)
  • 管理美容師の講習修了証(美容師が2名以上の場合)
  • 法人の場合は登記事項証明書

検査で見られるのは、作業面積・照明の明るさ・換気設備・消毒設備の設置場所などです。具体的な数値基準は自治体の条例によって異なるため、設計段階で管轄の保健所に相談しておくと、検査でやり直しになるリスクが減ります。

なお、検査手数料は自治体によって異なりますが、16,000〜24,000円程度が目安です。

税務署 — 開業届と青色申告の申請

税務署には最大4種類の届出・申請を提出します。

開業届(個人事業の開業届出書) は、開業日から1ヶ月以内に提出します。届出用紙は国税庁のサイトからダウンロードするか、税務署の窓口で入手できます。マイナンバーの記載が必要なので、マイナンバーカードか通知カードを用意してください。

青色申告承認申請書 は、開業初年度から青色申告の特典(最大65万円の控除)を受けるために出す書類です。提出期限は、1月16日以降に開業した場合は開業日から2ヶ月以内、1月1日〜1月15日に開業した場合はその年の3月15日です。開業届と一緒に出してしまうのが一番手間がかかりません。この書類を出さないと白色申告になり、65万円の控除が受けられないので、出し忘れると税金の差が大きくなります。

給与支払事務所等の開設届出書 は、スタッフを雇って給与を支払う場合に必要です。提出期限は給与を支払い始める日から1ヶ月以内です。1人で開業する場合は不要ですが、後からスタッフを雇うことになったら、その時点で提出してください。

源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 は、常時10人未満のスタッフを雇う美容室であれば提出できます。通常は毎月納付する源泉所得税を、1〜6月分を7月10日に、7〜12月分を翌年1月20日に、年2回まとめて納付できるようになります。提出に期限はありませんが、給与支払事務所等の開設届出書と一緒に出しておくと楽です。

消防署・労働基準監督署 — 忘れがちな届出

消防署 には、内装工事をする場合は着工の7日前までに「防火対象物工事等計画届出書」を、店舗の使用を開始する7日前までに「防火対象物使用開始届出書」を提出します。居抜き物件で改装しない場合でも、使用開始届は必要です。

収容人員が30名以上になる店舗では防火管理者の選任が必要です。美容室では該当するケースは多くありませんが、大きなフロアで待合スペースを含めると基準を超える場合があるので確認しておきましょう。

労働基準監督署・ハローワーク への届出は、スタッフを1人でも雇う場合に必要です。パートやアルバイトも対象になります。「保険関係成立届」を雇用開始から10日以内に、「概算保険料申告書」を保険関係が成立した日から50日以内に、それぞれ労働基準監督署に提出します。「雇用保険適用事業所設置届」はハローワークに雇用開始から10日以内に提出します。オープン日にスタッフがいる場合は前もって書類を準備しておくと安心です。

当事務所のサポート

届出のなかでも税務署関連の書類は、出し忘れると青色申告の特典が受けられなかったり、源泉所得税の納付が毎月必要になったりと、後から取り戻せない影響が出ることがあります。当事務所では、開業届・青色申告承認申請書の作成から税務署への提出まで、開業時の届出手続きをまとめてサポートしています。「届出の期限がよく分からない」「保健所と税務署のどちらを先にすればいいか整理したい」といったご相談もお気軽にどうぞ。

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この記事を書いた人

小松 啓

小松 啓

公認会計士・税理士

大分県出身。監査法人・コンサルティング会社を経て独立。休日はフィルムカメラを持って街を歩き、東京の風景や環境音を記録しています。「数字の仕事」と「手を動かしてつくること」の両方が好きな会計士です。美容師の方が施術に集中できるよう、面倒な税務は全部引き受けます。

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